英会話レッスンの意外な落とし穴

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今回はスピーキングについて考えてみましょう。

以前、英語学習をしている方にアンケートを取ったことがあるのですが、
「スピーキングは質より量、とにかくネイティブスピーカーとたくさん話せば上手になる」と考えている方が非常に多かったのに驚きました。

私はカウンセリングでたくさんの方から英語学習経験についてお話を聞くのですが、英会話教室やオンライン英会話の経験者は非常に多いです。しかし、英会話レッスンを続けたけどそこまで上達しなかった、上手くならないので気づいたら辞めてしまっていた、というケースをよく耳にします。
ということで、今回は英会話教室・オンライン英会話でスピーキングを伸ばすためのポイントをお伝えします。


ほとんどの人がしていない!? 「レッスン後の復習」

英会話レッスンについてよくある誤解なのですが、レッスンで英語を話している最中にスピーキングが上手になっていると思い込んでいる方が多くいます。これは実は正しくありません。

もちろん、みなさんが英語で言えなかったことに対して先生からおすすめのフレーズなどを教えてもらうなど学びのチャンスもありますが、そういったインプットは実は単語帳などを使って自分でサクサク進めた方がずっと効率がよい要素になります。

それでは、英会話レッスンでは何が「学び」になるのでしょうか。
それはズバリ、みなさんが「英語で言えること」と「英語では言えないこと」が分かることです。
「それってスピーキング力のアップじゃないじゃん!」と思われるかもしれませんが、その通りです!笑


もう少し詳しく説明します。

英会話レッスン中に実際起きていることは「自分が言いたいこと(日本語)」に対して「言えたこと(英語)」「言えなかったこと(英語)」がクリアになるということだけなんです。

それでは、その「学び」をどうやって具体的にスピーキング力アップにつなげたらよいのでしょうか。


その方法はズバリ「復習」です!

私のおすすめは英会話レッスン後の復習で以下の3つをしっかり振り返ることです。

①レッスン中に言いたかったこと(日本語)
②レッスン中に実際に話したこと(英語)
③レッスン中には言えなかったことを英語にしたもの

ここでは一番重要なのは③です。
もし、③の内容について長い時間考えても英語の文章が浮かばない場合は、何かがボトルネックになっているはずです。ボトルネックになる可能性のある要素としては、「語彙・文法のアウトプット力の不足」「概念化力の不足」が考えられます。


「語彙・文法のアウトプット力の不足」が思い当たる場合は、英会話レッスン以前に単語帳や、英作文テキストなどを使って、たくさんの単語・文章のパターンを素早くアウトプットできるようなトレーニングにまずは時間を費やすのが得策です。


一方で「概念化力の不足」に問題があるかどうかの判断は英語が話せなかった理由が「そもそも言いたかった日本語の概念が難しすぎて英語にできなかった」となった場合です。


この場合は復習にもう一つ要素を追加します。
「言いたかったことをよりシンプルにした日本語」です。
この時重要なのは、子供にも理解できる内容に単純化することです。
この作業を行うことで、もともと自分が言いたかった日本語の中にスムーズに英語に置き換えできない要素を見つけることができます。


わかりやすい例はこんな感じです。

・レッスン中に言いたかったこと(日本語):暗中模索で非常に苦労しながら進めたプロジェクトでした。
・よりシンプルにした日本語:確かなものがありませんでした。そのためとても難しいプロジェクトでした。

「暗中模索」は到底すぐ英語にできなそうなワードですよね(汗
一方で、シンプルにした日本語はわりと簡単に英語にできそうな気がしませんか?

一例ですが、
Nothing was sure. Therefore it was a very difficult project.
のように直訳してもしっかり意味が伝わる英語になります。


このように英会話レッスン中には振り返れない内容を復習時にしっかりまとめることで、頭の体操になり、概念化力のアップにつながります。残念ながらこの作業は、日本語が話せない英会話の先生とは一緒に行うことができないものなので自分で復習する必要があるのです。


いかがでしたでしょうか?
英会話レッスン+復習でスピーキング力のアップが実現できる学習方法をご紹介しました。騙されたと思ってやってみてください^^

Kenichi Ariga