コーチングとは?

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今回は英語力アップのサポートにコーチングという手法を用いている理由についてお話ししたいと思います。

日本の義務教育では少なくとも中学校・高校で6年間の英語学習を経験します。詰め込み式で受験のためだけの学習だという批判をよく耳にしますが、悪いことばかりではありません。基礎の英文法、語彙をしっかり頭に叩き込むことができる貴重な時間です。ほとんどの人は日常英会話に必要な知識をインプットするチャンスを得ているのです。

では、何故6年間の英語学習を経て自然に英語を話せるようにならないのでしょうか。

指導者が学習者に知識を説明し、伝えることをティーチングといいます。学習者が学習する事柄について全く知識や経験がない場合はこのティーチングが非常に有効です。

中高での6年間の英語知識のインプットはこのティーチングを受けている期間に当たります。ただし、このティーチングで手に入れた知識は非常に限定的です。英語の基本的な文法や単語を覚えることはできましたが、それをどうやって使うのかについては教わるチャンスがないのです。

例えるなら、速く走るために脚の筋力をつけることが大切なのは知っているけど、どうやって筋力トレーニングすればいいのかは分からないような状態です。

それと同じように、基本知識をやっと理解した時点で高校卒業となり、「あとは自力で頑張って下さい」と言わんばかりに学校から社会に送り出されることになります。その後、自分の意思によって大学や専門学校などでさらに英語を勉強し続けることでやっと実際に使える英語力まで到達できる訳です。

この「中高の英語学習」と「使える英語」とのギャップが日本の英語教育が抱える問題なのです。

2020年度からは小学校3年生から外国語活動として、5年生からは外国語として英語の授業が開始されました。ただし、小学校教諭の英語力、英語の指導力はムラが大きく、授業内容もそれぞれの教師に委ねられているため爆発的に子供たちの英語力が伸びるとは考えづらいと思っています。

スポーツのチームをイメージして欲しいのですが、スポーツの基本ルールを学んだあとに何をするでしょうか?スポーツチームには必ず「コーチ」がいますよね?例えば野球ならば、投球・打法・守備方法などを実際に必要なスキルについて実践的に指導してくれますよね。また、練習試合の後には、どこがよかったか・悪かったかをフィードバックしてくれるはずです。また、普段は厳しいコーチに試合後に褒められると嬉しくなってやる気がさらに出たりした経験はありませんか?

このように何かしらのスキルを身に付けるときには、実践的なスキルの指導と実践からのフィードバックが不可欠です。

近年、英語学習といえば「英会話スクール」が一般的に浸透している学習方法かと思います。その一方で、10年以上英会話スクールに通い続けたのに、まだ英語をスムーズに話すことができない人をたくさん見てきました。このように英語学習の費用を自分で負担し、勉強を頑張る人たちが報われない状況にも私はずっと疑問をいただいてきました。「英語が伸びない→英会話スクールに通い続ける→英会話スクールがさらに儲かる」という裏側の仕組みも実際に英会話スクールで働いていた友人を通して話を聞くこともありました。

その一方で、安価で場所・時間的制約のないオンライン英会話が台頭してきました。また、動画配信サービスYoutubeでは、英語学習に関する情報がYoutuber達によってたくさん発信されており、無料で視聴することができます。英語のネイティブスピーカーが流暢な日本語で英語を詳しく解説する動画さえもたくさん視聴できるようになってきました。

ここまでくると、道具は一式揃っているのに、それをどうやって使うかが分からず、うまく英語が上達できない状態と言えます。

そこで、英会話スクールではなく、英語コーチングというサポートの重要性にスポットが当たるようになってきました。ここ数年ではいくつも英語コーチングスクールが出現し業績を伸ばしています。

ボディーメイクで有名なライザップも同じ手法を用いて英語コーチング業界に参入しています。

このコーチングによる英語学習の効果が非常に大きいことを、私自身が英語コーチングスクールで勤務していた当時、生徒さんの成長を見て実感しました。

驚くべきことに、ひたすらネイティブスピーカーと英語を話し続ければ英語が伸びるというような「ネイティブスピーカー神話」がいまだに世間では健在です。しかし、英語が社内公用語の外資系企業に勤務しているビジネスマン達が、こぞって英語コーチングスクールに通いにくる光景を見て感じた矛盾でもありました。

英語を伸ばすために必要なのはネイティブスピーカーではなく、コーチだと強く確信したのでした。

私が、個人で英語学習のサポートを始めようと思った当初、本質的に英語が伸びる仕組みを提供したいという思いがありました。そのためこのコーチングという手法を用いたサポートを提供することを決めました。

英語コーチングの実際の手順は、社会人になるとよく耳にする「PDCA(plan-do-check-act)サイクル」と同様です。

英語は習得するのに多くの時間を要しますので、学習を長期的に捉えて上で日々の学習スケジュールを立てることが重要です。そして、どれだけ計画に沿って学習したかを振り返ります。また、学習した範囲についてどれだけ知識・スキルがアップしたかを定期的にチェックします。そのうえで、さらに学習効率を上げるために必要な施策を相談し決めていきます。

長期間の英語学習は、コーチがいてもそれだけで順調に続けることは困難です。そこで重要なのは、英語を使う目的と自分が到達したい目標を明確にして定めることです。TOEICなどの試験の点数だけが必要で英語を勉強している方もいるでしょう。ただ、英語によってその後の将来の可能性が広がるのであれば、実際英語を使って活躍しているご自身の姿をイメージしていただきたいです。

目標の理想像は、身近な英語話者や英語を話す有名人などを見つけることをオススメします。目標とする人のスキルと自分とのギャップを比較することができるからです。

ここまでお話ししてきたように、英語習得は長い道のりです。だからこそスタートからゴールまで長きに渡って二人三脚で一緒に走り続けるコーチとしてみなさんの夢を応援したいという気持ちでこぐまEnglishを運営しています。

Kenichi Ariga