文法は二の次?語彙力が一番大事?

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英語が伸び悩んでいる方から相談を受けるときによく聞くセリフがあります。

「文法は適当でもどうにかなりますよね。たくさん単語を知っていることが一番大事だと思うんで」


本当に文法はどうでもよいのでしょうか?語彙力が一番大事なのでしょうか?

結論からお伝えすると、答えは「No」です。


例えるなら、文法は文章を作る際の「箱」です。単語は、その箱に入れる中身です。そして「箱」は正しい順番に並べないと正しく機能してくれません。「箱」がなく中身だけが無秩序にばら撒かれるとどうなるでしょうか?


中身=単語だけがバラバラと散らばっている英語は、聞き手・読み手に非常にストレスを与えます。「この人が言いたいことは〇〇ということなのかな?」と推測させてしまうからです。また、あなたが普段から無秩序な英語を使い続けていると、「この人は果たして私の言っていることを正しく理解しているのかな??」と相手を不安にさせてしまう恐れもあります。

日本語が母国語である日本人が英語の文法を無視して英語を使うとどうなるかを考えてみましょう。


・Before month job travel America go.


この文章で言わんとすることをみなさんは理解できますか?これは下記の内容を伝えようとして英語にしたものです。


・先月、仕事の出張でアメリカに行きました。


ここでは、わざと英語の語順を無視して日本語と同じ語順で単語を並べました。さらに単語のチョイスも正確ではありません。また「先月のこと」ですが時制を現在時制にしました。このような文章を話した場合、聞き手に多くの情報を推測させる必要が発生してしまうことは想像に難くないでしょう。


ちなみに上記の文章を正しい英語にするとこのようになります。

・I went to the US for a business trip last month.


この文章を作るためには最低以下のような英文法知識を知っている必要があります。

  • S(主語)の次にはV(動詞)が来る

  • goの過去形はwent

  • goの目的語(場所)の前には前置詞toが必要

  • 可算名詞が「1つ」の場合は、直前に不定冠詞a(an)が必要

  • last+時期を表す名詞(ここではmonth)は副詞句として使われるため直前に前置詞は不要



しかし、どこまでの種類の文法を身につければよいのでしょうか?基礎的な文法が身についていない自覚のある方は、まずは中学英文法をしっかり身につければ全く問題ありません。高校で習う英文法の一部にも重要な内容はありますが、それも中学英文法が使えてこそ役に立つものだからです。


そこで中学英文法を学習するのにおすすめの英文法テキストをご紹介します。


新装版 英文法のトリセツ じっくり基礎編
基礎的な英文法をわかりやすく説明してくれています。英語の先生に丁寧に説明してもらうように英文法を学習していきたい方に向いています。

Mr. Evineの 中学英文法を修了するドリル 
1ヶ月で中学英文法が学習できる良書です。短期間で集中的に英文法を復習したい方におすすめです。説明が簡潔で練習問題も充実しているのでインプットとアウトプットがこの一冊でカバーできます。


中学英文法は漏れなく正確に理解できるように学習しましょう。そのため、1冊のテキストを使い始めたら必ず最後までしっかり終わらせましょう。文法書をはしごするような学習は非常に効率が悪くなってしまうので注意が必要です。

今回は文法に重きを置いてお伝えしましたが、語彙力ももちろん重要です。しかし、文法により不安が大きい方はまず文法を固めてから、その次に語彙力アップに着手しましょう!



Kenichi Ariga